クリーンラベル戦略で成長する

May 16, 2022 | clean label

クリーンラベル戦略はお客様のブランドの成長に何をもたらすのでしょうか。またすでに成功しているメーカーがさらにクリーンラベルでの成功するために、どんなことを実践しているのでしょうか。

食品/飲料メーカーは、自社商品の再構築または革新にあたって、常に困難な課題に直面し続けています。すなわちインフレ圧力、サプライチェーンの制約、極めて多様な消費者の嗜好といった問題に対応しつつ、目標にフォーカスし、自社のブランドが消費者の最も切望する優れた食体験と価値を提供できるよう努力しているのです。

今日、前進にあたっての明確な方法のひとつがクリーンラベル戦略。これは消費者が既に知っている素材、あるいは選ぶことで安心を覚える素材を使用して製品開発をすることです。食品/飲料メーカーは、消費者が好み、認知度の高い素材で食品を組み立てることで、増加傾向のクリーンラベルに付加価値を見出しその対価を支払う消費者層に対応、自社のブランドを確立し、収益、マージン、価格設定において目に見える改善を図ることができます。 

大きなビジネスチャンス、そして課題

イングレディオン独自の調査では、クリーンラベルのトレンドが、消費者およびメーカーの双方で加速していることが明らかになっています。

  • 消費者の71%は、製品の原材料を認識することが重要視しています。1
  • 消費者の半数以上は、短くてシンプルなな原材料表示を重要視しています。1
  • グローバルにおいて、メーカー10社中8社近くは過去2年間でクリーンラベルとしてリニューアルを行っており2 、10社中6社以上は、現在、自社の製品をクリーンラベルに改良中であると回答しています。

大きなビジネスチャンスには、いくつかの課題も伴います。イングレディオンが独自に実施したグローバル・クリーンラベル・メーカー調査(Global Clean Label Manufacturer Study)によると、グローバルの食品/飲料メーカーの10社のうちほぼ9社が、クリーンラベルの原材料を使った処方設計段階で課題を感じているとしています。2 これは適切な原材料の調達、品質レベルの維持、品質保持期限の確保は言うまでもなく、これまでの培ってきた製品特有の味、食感が、クリーンラベル化によって損なわれる可能性があり、それなりの開発努力が必要なためです。そのため、クリーンラベル化へのプロジェクトにあたっては、適切な戦略パートナーを見つけることがより一層重要になります。

収益、マージン、価格設定に及ぼすポジティブなインパクト

このようにクリーンラベル化には高いハードルがありますが、それでもこの戦略を推進するのにはもっともな理由があります。2021グローバル・クリーンラベルメーカー調査(2021 Global Clean Label Manufacturer Study)では、製品のクリーンラベル化によって平均収益が15%、マージンが11%、製品の価格設定が18%上昇したことわかっているのです。2

すなわちクリーンラベル化には、その努力に対し十分な見返りが期待できるのです。世界のメーカーの半分以上において、自社製品のクリーンラベル化という努力の結果収益とマージンが改善、また10社中約4社が、販売価格の改善を回答しています。

クリーンラベルビジネスを成功に導くヒント

クリーンラベルへの移行の成功率は地域によって大きく異なりますが、大半のメーカーはクリーンラベル戦略を導入することで、消費者の自社への支持を強化するという価値ある恩恵を享受しながら、財務パフォーマンスの維持または改善を実現しています。実際、北米のメーカーの75%は、全体的な収益増を実現し、68%がマージン増を報告しています。2

本調査では、クリーンラベルでの成功を収める要因はさまざまですが、メーカーのアプローチにおいて、いくつかの大きな特徴がありました。

全体として北米のメーカーは、クリーンラベル化の推進において明確で部門横断的に対応していると回答しています。すなわちクリーンラベル化はブランド、ビジネス、マーケティング戦略のすべての中心に位置し、さらにそれらが統合されていることを示します。戦略を実現する上で、こうした高いレベルでの集中と機能横断型の参加は、より目覚ましいビジネス成果に貢献していると考えられます。

このことは、本調査で報告されている主な成功要因を以下の通りまとめると明確に見えてきます:2

  • 経営幹部が関与する — 北米のメーカーの半数以上(56%)が、クリーンラベへの移行の重要な取り組みに幹部を関与させています。
  • ビジネス戦略全体への重要性を理解する — メーカーの81%が、自社のビジネス戦略にとってクリーンラベルが極めて重要であると考えています。また、これは自社製品の高い品質の証でもあり、肯定的なブランド評価の源としてクリーンラベルを認識しているようです。
  • クリーンラベル食品に使用可能な原材料を供給可能なサプライヤーを確保— こうしたメーカーの75%は、クリーンラベルオプションを提供する原材料サプライヤーを重視しています。
  • 徹底したクリーンラベル表示 — 北米の食品/飲料メーカーは、店舗販売用のパッケージの他、様々な販売チャネルに向けたマ製品において、徹底してクリーンラベルを強調表示をしています。
  •  様々な販売チャネルにおけるクリーンラベルを中心に据えたマーケティング活動— 北米メーカーは、SNS、ウェブ広告、ウェブサイト、および営業マンなどを通じ、クリーンラベルのメリットを徹底して伝える努力をしています。

食品および飲料ブランドにとっての最終的な成果:クリーンラベルは、消費者ニーズの充足、ブランドの構築、さらに業績の改善するための重要な手段であることが証明されつつあります。クリーンラベルでの努力によってさらに確固たる成功を遂げるには、イングレディオンの調査は、クリーンラベル戦略に対する強固かつ全社的な取り組み、クリーンラベル素材サプライヤーとの緊密に連携、マルチチャネルマーケティングへの投資が重要であることを示唆しています。これらはすべて、クリーンラベルビジネスの成功に最も影響を与える要因であるようです。

クリーンなラベル、およびシンプルな原材料で業績を向上

クリーンラベルの消費者、ブランド、ビジネスバリューについての詳細はこちらをご参照ください。イングレディオンのクリーン&シンプル(clean and simple)ページにアクセスするか、以下のリンクよりイングレディオンいコンタクトしてください。

 

1ATLAS、イングレディオン独自のグローバル消費者研究、2020 (ATLAS, Ingredion Proprietary Global Consumer Research, 2020)

2ATLAS、イングレディオン独自のグローバルメーカー研究、2021 (ATLAS, Ingredion Proprietary Global Manufacturer Research, 2021)

食品と開発(2023年1月号)にクリーンラベルの記事が掲載されました

クリーンラベルの世界的トレンド、イングレディオンの考えや対応などを紹介しています。

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Daniel Haley (ダニエル・ヘイリー)

およそ20年にわたりイングレディオンで営業、技術サポート活動のキャリアを積み、現在はイングレディオン独自のリサーチデータを駆使し、クリーンでシンプルな原料素材によるイノベーション戦略を推進している。